バナナといえば、栄養豊富で手軽なイメージが強いですが、ペットにはどうなのでしょうか。猫には食べさせてはいけないものが多くあり、そういえばバナナは猫に安全なのか・・・、と考えたことがある方もいることでしょう。
人の食品には、たとえばチョコレートのように猫を含むペットには有害で、絶対に食べさせてはいけないものもあります。その点で言えば、バナナは猫にとって有害な成分を含んでいるわけではないので、少量であれば猫に与えても問題のない果物です。ただし与える際にはいくつか注意点があります。
まず、与えていいのはいわゆる皮をむいた可食部です。皮は消化が悪く、誤ってかじったり飲み込んでしまった場合に、窒息、あるいは腸に詰まらせたりするリスクがあります。そして、量にも注意です。バナナに含まれる栄養そのものは人にも猫にもメリットがあるものの、そのバランスは猫にとって最適なものとは言えないからです。猫は完全肉食動物であり、必要とされる栄養素のバランスが人とは異なります。バナナにはでんぷんや糖類などの炭水化物が多く含まれていますが、猫は加熱されていないでんぷんの消化はあまり得意ではありません。またカリウムなどのミネラル成分も豊富に含まれているため、与え過ぎは腎臓などへの負担も大きくなります。
バナナに限らずですが、普段食べ慣れないものを食べたり、食べ過ぎたりしたときには、一般的に下痢や嘔吐などの消化器症状が起こりやすいです。実際に、カリフォルニア大学デービス校獣医学部でも、このような消化器トラブルの多くは、盗み食いなど飼い主の不注意による食事行動から生じる、と指摘されていますので、食卓の上にバナナなどを置いている場合には、片づけたほうが無難です。
子猫の場合、まだ成長過程で消化器系の発達が未熟なため、人の食品のような食べ慣れないものを与えることは推奨されません。インターナショナルキャットケア*¹ では、離乳後の子猫(一般的に8週齢前後)には、高品質な子猫用フードを給与するように指導しています。
子猫は生後1年以内にワクチン接種のために複数回の通院が必要になる場合があります。成猫は一般的に年に1回の検診が効果的ですが、高齢猫や特別なケアが必要な猫はより頻繁な検診が必要になる場合があります。
タフツ大学カミングス獣医学部*² によると、おやつのカロリーはペットに必要な総カロリー摂取量の10%未満にすべきとされています。猫の一般的な体重を考えると、少量のバナナでも結構な高カロリーになってしまうので、量には十分注意してください。
バナナは与えても問題のない食品ではありますが、言い方を変えれば与えなくてはならないというものでもありません。キャットヘルス*³ に書かれているように、猫の甘味に対する感覚は強くないため、理論的には猫が甘いバナナを好む、ということはあまり多くはないはずです。そうはいっても猫の好みもそれぞれですし、嗅ぎなれない匂いにつられて欲しがる猫もいるでしょう。いずれにしても、無理に与える必要はありません。
バナナは大丈夫ですが、猫にはNGな果物があります。(果実はOKでも皮や種がNGなものも含まれます)
もし愛猫がこれらをはじめとする有害な食品を食べてしまった場合は、ただちに獣医師に連絡してください。
結局のところ、猫には必要な栄養素がバランスよく含まれた猫専用のフードをあげるのが一番理想的です。バナナのように猫に与えて問題のない食材を選んで、ごくたまにあげるくらいなら大丈夫ですが、猫には健康的な猫用おやつ として確認されているものを適量与えるのが安心でしょう。猫のおやつ選びに迷った時は獣医師に相談してみてください。
*参照先:
*1 https://icatcare.org/advice/feeding-your-cat-or-kitten/
*2 https://vet.tufts.edu/foster-hospital-small-animals/specialty-services/nutrition/
*3 https://www.cathealth.com/cat-care/nutrition/2178-do-cats-have-a-sense-of-taste
クリスティン・オブライエンはライターであり、母親であり、長年猫を飼っています。彼女の2匹のロシアンブルーは家を牛耳っています。Care.com、What to Expect、Fit Pregnancyにも記事を掲載しており、ペット、妊娠、家族生活について執筆しています。InstagramとTwitter(@brovelliobrien)で彼女をフォローしてください。
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