少しずつ暖かくなってきましたね。過ごしやすい季節になると、犬たちと自然豊かなところでアウトドアを楽しみたくなります。一方で、猫がのんびり窓辺で日向ぼっこしているのを眺めるのもほのぼのとしていいですよね。こうして気温が高くなってくると、注意したいのがペットたちの飲水のことです。必要な量をきちんと飲んでいるか、与えるのはどんな水がいいのか、池の水や水槽の水は飲んでも大丈夫なのか・・・などなど、あらためて考えてみると疑問に思うことありませんか?
いうまでもなく、適切な水分補給はペットの健康維持のために非常に重要です。ここではペットたちに必要な1日あたりの水分量や、ペットたちが口にする可能性のあるさまざまな水について、ご紹介します。
米タフツ大学カミングス獣医学部*¹によると、正常な身体機能を維持し脱水状態にならないようにするためには、犬や猫は毎日水分を摂取する必要があります。極論、1日何も食べなくてもなんとかなることもありますが、水分は絶対に必要です。
一般的に犬は、1日に体重1kgあたり50~70cc程度の水を必要とします。したがって、愛犬の体重が5kgの場合は、毎日最低でも250cc程度の新鮮な水を与える必要があります。
猫が飲む水の量は、身体の大きさや年齢、活動レベル、食べているフードのタイプにもよりますが、だいたい1日に150㏄~300㏄程になります。
温暖な気候で暮らしていたり、非常に活動的なペットの場合は、より多くの水分を欲しがりますが、十分な量を与えるようにしてください。また、主にウェットフードを食べていたり、高齢だったり、あまり活動的ではないペットの場合は、一般的に平均よりも飲む量が若干少なくなります。
若いペットは、生後1年間はワクチン接種のために複数回の通院が必要になる場合があります。成犬のペットは一般的に年に1回の検診が効果的ですが、高齢のペットや特別なケアが必要なペットは、より頻繁な検診が必要になる場合があります。
家の中でも、屋外の自然の中でも、ペットが口にする可能性のある水というのは案外身近にあるものです。それぞれについてご紹介します。
飲料用のペットボトルの水、いわゆるミネラルウォーターは基本的にペットに与えてもかまいません。ただし、ミネラルウォーターにはその産地によって、多くのミネラル成分が含まれる硬水というタイプのものがあります。こういったものはペットの泌尿器や心臓などの負担になる可能性もあるため、注意が必要です。獣医師に確認してから与えましょう。
公園や河川敷、あるいはキャンプ場などでは、池や川などが近くにあることも多く、犬が飲んでしまうこともあるかもしれません。アメリカンケネルクラブ*²では、池や川は有害な微生物に汚染されている可能性が否定できない、と飼い主に対して注意を促しています。 このような微生物には、レプトスピラなどの細菌や藻類などが含まれ、これらはペットに疾患を引き起こす可能性があります。したがって、こういった水はできるだけ飲ませないようにした方がよいでしょう。
水槽から見える色鮮やかな魚たちがゆらゆらと泳ぐ姿は美しく、インテリアとしても素敵ですね。でも、犬や猫にとってこのキラキラとした動きやエアーポンプのブクブクは興味深く、いたずらしたくなってしまうのかもしれません。水槽の中で飼われている生物の種類によって、最適なpHや硬度といった水質が異なり、中には犬や猫の飲料水としては合わない場合もあります。そのため、できるだけ水槽に犬や猫は近づけないようにするのが安全です。
夏のレジャーの代表と言えば海水浴ですね。ビーチに行って大はしゃぎするワンちゃんも多いことでしょう。でも海で犬を遊ばせるときには海水の飲みすぎに十分注意する必要があります。というのも、遊びに夢中になりすぎて無意識に多くの海水を摂取してしまい、高ナトリウム血症としても知られる食塩中毒になる危険性があるからです。米タフツ大学カミングス獣医学部によると、この食塩中毒では嘔吐や下痢などのほか、急にふらついたりなど犬に神経系の障害を引き起こすこともあり、非常に危険な状態になることもあります。海で遊ぶときにはペットのための飲料水を必ず持参し、適度に休憩をとって水を飲ませるように心がけましょう。
犬向けの施設として公開されているプールは、一般的に衛生管理のために塩素などの薬品が使用されています。多少口に入っても問題はありませんが、やはりプールの水は飲料水としては不向きで、率先してペットに飲ませるというものではありません。プールで遊ばせる際には海のとき同様に、ペットの水分補給用に別途犬用の飲料水を持参するようにしましょう。
これは言うまでもないかもしれません。雨上がりの河川敷や道路わきにできた水たまりには、すでにご紹介した微生物による汚染のほか、車のオイルや道路に散布された薬品など、生体に有害な物質が含まれている可能性があります。
ドッグランやペットショップによっては、犬の水飲み場が準備されているところもあります。管理方法は各所それぞれかと思いますが、犬に与える際にはすでに汲んである水ではなく、あらたに入れ替えて与えるのが安全でしょう。また、Peventive Vetは*³は、ウォーターボウルを共有することは、寄生虫や回虫、ウイルスやバクテリアなどの感染症の原因となるリスクがあると注意喚起しています。出かける際には愛犬専用のウォーターボウルを持参するとよいでしょう。
ペットのお水としては一番一般的で、ベストな方法です。水道水は浄化処理が施されているため、人間が安心して入浴や食器の洗浄、飲水などの日常生活に使用することができます。ただし、同じ水道水といっても国や地域によって、その硬度が異なる場合があります。アメリカ動物病院協会 (AAHA)*⁴は、通常よりも多くのミネラルを含む超硬水をペットが日常的に飲んだ場合に、泌尿器系の疾患のリスクがあると注意喚起しています。水質を確認して、できるだけ硬度の低い軟水を与える方が安心でしょう。
一般的に、トイレの便器内は排泄物が通過する場所であり、衛生上適しているとは言えません。また、汚れやニオイ防止などのための洗浄剤を使用している場合も多く、安全面でも健康上よくありません。陶器好きのペットもいるようですので、トイレのドア、およびフタの戸締りを忘れないようにしましょう。
飲料用として水質検査がされている井戸水であれば、ペットに与えても問題ありません。該当する井戸水が定期的に水質検査を受けているか確認してから与えるようにしましょう。
いかがでしたか?基本的に人間が飲んで安全であればペットに与えても問題がないことが多いですが、水の硬度には注意が必要です。また、意図せず摂取してしまう可能性のあるレジャーでの海水やプール、川や池の水には注意したいところです。ペットが過ごしている場所に新鮮な水が十分準備されているか必ずチェックしてくださいね。そして愛犬を連れてのお出かけの際には犬用の飲料水や愛犬専用のウォーターボウルを持参することを忘れずに!
参照先:
*1 https://vetnutrition.tufts.edu/2016/02/pet-nutrition-primer/
*2 https://www.akc.org/expert-advice/health/what-is-leptospirosis-can-dogs-get-leptospirosis/
*3 https://www.preventivevet.com/dogs/public-dog-water-bowls-think-before-they-drink
*4 https://www.aaha.org/publications/newstat/articles/2016-04/urinary-health-conditions-linked-to-pets-drinking-water/
アンジェラ・タゲは、中西部に住むペットママ兼ライターです。キッチンを散らかしている時間、愛犬とトレイルを散策する時間、ヨガのワークショップに参加している時間以外は、複数のライフスタイルブランドやテクノロジーブランドのためにフルタイムで執筆活動を行っています。TwitterとLinkedInでは@AngelaTagueをフォローできます。
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人間の体内や体表にいる細菌は、全身の細胞の数よりも多いことをご存知ですか?これは、私たちの愛するペットも同じ。
水はあらゆる栄養素のうち最も重要であり、生命に不可欠なものです。動物は、体脂肪のほぼすべてとたんぱく質を失っても生きていけますが、体内の水分のうち15%を失うだけで、死んでしまいます。
ヒルズサイエンス・ダイエット犬用および猫用のカロリーと、他のペットフードブランドのカロリーおよびAAFCOが推奨する低カロリーフードの許容される最大カロリーの値を比較してみましょう。
低カロリーのフードで、ペットの体重管理をサポートすることができます。無駄のない筋肉づくりに必要な高品質なタンパク質を豊富に含み、風味豊かで栄養価の高い食事となるよう厳選された原材料を使用しています。臨床的に証明された抗酸化物質、ビタミンCとEが、健康な免疫システムの維持をサポートします。
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