肝臓は、胃腸で消化・吸収された栄養素を体が利用しやすいように変換して貯蔵あるいは分解したり、有毒な物質を無毒化して血液から除去したり、ビタミン・ミネラルなどを貯蔵したりなど、多くの役割をもつ重要な器官です。このように様々な働きを担っているため、肝機能に異常が生じると、生理的な機能の広範囲にわたって影響が生じます。一方で、肝臓は予備の能力が備わっているので、かなり進行してからでないと症状が現れにくいという特徴もあります。犬の肝臓病には、様々な原因によって肝臓に炎症が生じる肝炎のほか、肝臓に脂肪などが蓄積してしまう肝障害、門脈(肝臓に様々な物質を送る血管)の異常、肝臓の腫瘍などがあります。また、すい臓や胆嚢といった身体の他の部位の疾患が肝機能に影響を及ぼすこともあります。病態が慢性化して進行すると、健常な肝細胞が瘢痕組織に置き換わり機能が失われ、肝硬変という末期の状態へ移行します。
肝臓病は肝臓の障害の程度や病態、原因によってその後の経過が異なりますが、適切な管理を行うことで肝臓病と診断された後も何年も幸せに生活できるケースもあります。定期的な検査を受けて早期発見に努めること、継続的に獣医師による治療を受けること、正しく栄養管理を行うことが大切な鍵になります。
犬に肝臓病を引き起こすのではないかと考えられているものには以下のようなものがあります。
年齢:直接的な原因ではありませんが、肝臓機能障害を含むいくつかの疾患は、中~高齢の犬に多く見られます。
品種:ドーベルマン、ヨークシャー・テリア、コッカー・スパニエル などの品種は、特定の肝臓病を生まれつき持っていたり、あるいはやがて発症する傾向があったりします。
医薬品や化学物質:人間の風邪薬に含まれていることの多いアセトアミノフェンなどの一部の医薬品は、犬の肝臓にダメージを与える可能性があります。人間のための医薬品は、犬が届かないところに保管するように徹底しましょう。また、キシリトールなど人間にとっては身近な食品に含まれている成分でも、犬にとっては有害となる場合があるため注意が必要です。
その他の要因には以下のものがあります。
子犬は生後1年間、ワクチン接種のために複数回の通院が必要になる場合があります。成犬は一般的に年に1回の検診が効果的ですが、高齢犬や特別なケアが必要な犬は、より頻繁な検診が必要になる場合があります。
犬の肝臓が悪いとどんな症状が出るのでしょうか。肝臓病の症状は、全く症状がないケースや、元気がない、食欲がない、嘔吐するといったこれといったはっきりしないことも多いですが、中毒などのように急激に症状が進み激しい嘔吐や下痢の後、黄疸や神経症状を呈することもあります。以下のような症状に気づいたら、すぐに獣医師に診てもらいましょう。注意するべき症状:
上記以外にも、今までよりも尿の色が濃くなる、歯ぐきなどの粘膜の色が青白くなる、腹水の貯留(突然お腹が出て太ってきたと誤解されることがあります)があります。

注意:肝臓病の症状ははっきりしたものではないことが多いため、気づきにくいものです。定期的な健康診断に加えて、様子の変化に気づいたら、すぐに獣医師に相談しましょう。
肝臓病の原因や病態に応じて、適切な治療が行われます。出ている症状に対しての治療と、疑わしい原因に対する治療、炎症の場合には炎症に対する治療、そして肝臓への負担を少なくし肝臓を休めることを目的とした治療です。銅関連性慢性肝炎の場合には、慢性肝炎の治療に加えて、銅を排泄させやすい薬剤の投与や食事からの銅の摂取を制御するような食事療法があります。肝臓病といっても、その病態に合わせた適切な栄養補給が必要で、その内容は画一的なものではありません。
必ず獣医師に相談した上で、愛犬の肝臓の健康にとって一番いい食事を勧めてもらいましょう。
この記事は私たちのスタッフライターの一人が執筆しました
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