猫の過敏性腸症候群（IBS）：症状、原因、治療法

IBSの治療法とIBSの猫に与えるべき食事

獣医師は、猫ちゃんの吐き気を抑え、痛みやIBSの症状を和らげるための投薬を行う場合があります。摂食を続けている方が腸は早く治るため、可能であれば猫ちゃんに食べ続けさせることが重要です。おそらく獣医師は、猫ちゃんが普段ほど多く食べられなくても十分に栄養補給ができるように、胃腸をサポートする療法食を与えるのがいいと考えるはずです。これらのフードは炎症を抑えるためのオメガ-3脂肪酸などの栄養素を含む、良質な原材料でできていて高消化性のものです。さらに、マイクロバイオームに栄養を供給し、腸の健康を維持するプレバイオティクスの食物繊維もうまくブレンドされています。徴候が落ち着いたら通常の食事に戻せるかもしれません。獣医師が最も適切な助言をしてくれるでしょう。

基本的に、猫のIBSに対処するための最もよい方法は、ストレスの原因を取り除くことです。それが騒々しい来客やペットホテルへの預け入れのように単発性のものなら、することはそれほど多くないかもしれません。一方、家の中で猫同士が対立しているような場合、それは再発する問題になる可能性があります。

猫は地球上で最ものんびりと落ち着いた生き物に見えるかもしれませんが、実際は、明らかな徴候を多く示さないまま本当はストレスに苦しんでいることがあります。猫は捕食者ですが、もっと大型の動物の獲物になることもあるため、危険に対する警戒心が非常に強く、常に逃げる機会を確保しておくことを好みます。彼らは3次元の世界で生活しているので、本棚やカウンターの上などの安心できる高い場所を探し求めます。  

猫は本来、単独行動の動物です。状況によっては一緒に暮らすことも可能ですが、多くの猫は、他の好きではない猫（たち）と家や庭を共有することを好まず、彼らにとって大きなストレスになり得ます。他の猫は彼らの貴重な資源（フード、水、トイレ、そしてあなた！）に対する競争者なのです。多くの猫にとって、探検を許されないことが欲求不満になるため、室内で暮らすこともストレスの源になれます。

ストレスの徴候としては以下のようなものが最も多く見られます。

• 特にお腹や後ろ脚周辺の、過度の毛づくろいと脱毛（初めに必ずノミを除外すること！）

• 排尿障害。猫ではストレスに関連した膀胱炎がよく起こります。あなたは、猫ちゃんがトイレに行ってもほんの数滴しか排尿していないことに気づくかもしれません。これは非常に深刻な可能性もあるので、これが疑われたら必ず獣医師に診てもらうようにしてください。  

• 間違った場所での排泄。複数の猫のうちの1頭がいじめられていて、庭やトイレに行くことができない場合、その猫は家の中の別の場所で排泄し始めることがあります。

家の中のストレス緩和

特に複数の猫を飼っている場合、猫ちゃんの助けになるシンプルな方法がいくつかあります。

• やや長期的な食事療法について獣医師に相談することです。不安を和らげる天然添加物を含有し、ストレスを受けている猫に役立つことが証明されているフードがいくつかあります。ストレスに関連した膀胱の問題も存在する場合は水分摂取が非常に重要になるため、ウェットフードを与えるのも（必須ではありませんが）いいでしょう。

• 必ず猫の数よりも1個多くトイレを設置することです。これらは家中の複数の場所に設置して、猫ちゃんたちがいつでもトイレを使えるようにしておきましょう。

• フードと水のボウルについても同様にすることです。繰り返しになりますが、これらは家中のあちらこちらに置きましょう。これはあなたには少し不便かもしれませんが、猫ちゃんたちにはとても良いことです。こうしておけば、すべての猫ちゃんが別の猫と顔を突き合わせることなく食べたり飲んだりできるからです。

• フェロモンディフューザーを導入することです。これは大きな助けになるかもしれないので、獣医師に尋ねてみてください。

• 家の中を見回して、猫たちがすれ違わざるを得ない場所を見つけることです。狭い通路では一方が「高架道路」を通ることができるように、棚や家具を設置すると非常に役立ちます。

いつものことですが、何が起こっているのかよく分からないときは獣医師に相談してください。私たちはいつでも喜んで手助けしますし、早い方がより望ましいです。

監修：ハイン・マイヤー博士（DVM、PhD、Dipl-ECVIM-CA）