もともと単独行動をする猫にとって、基本的に留守番することは苦では無く、むしろ得意ともいわれています。また、ほとんどの猫は1日の大半、大体13時間から18時間は寝て過ごしているので、お仕事などで1日家を留守にしていても通常は特に問題ありません。ただし、子猫あるいは高齢の猫、あるいは家に迎え入れたばかりの猫がいる場合には、こまめなお世話だったり、特別な配慮や対策が必要だったりするので、長時間の留守は避けてください。このように猫のお留守番でも配慮が必要なケースについてご紹介していきます。

一般的に猫は1~2日程度なら留守番できるともいわれていますが、実際のところは個別の状況や猫それぞれで異なります。猫を迎え入れて間もない場合、とくにすでに先住のペットがいる場合には、引き合わせる前にそれぞれに対して十分な配慮をする必要があります。PAWS*¹は、"最初の数週間は新しい猫はほかのペットたちとは別の部屋で世話するようにして、徐々に新しい環境に馴染めるようにしていきます。古株のペットたちには新入り猫のニオイを、拭いたタオルで紹介するなどとにかく慣らす準備をすべきです。"と記しています。最初の数週間は飼い主や家族が新しい猫と関係を築く大事な期間でもありますから、猫が安心できる環境を整え、長時間の留守は避けながらも適度な距離感を保ちながら様子を見ましょう。
長く一緒に暮らしていて、健康状態に特別問題がなければ、猫にとって8時間~10時間程度の留守番はとくに問題ないはずですが、飼い主への依存が強い場合に、留守の時間が長くなると、退屈や寂しさなどがストレスとなり、粗相などのトラブルが起きることもあります。やたらに毛づくろいをしたり、食生活やトイレの様子に変化が見られたら獣医師に相談しましょう。
なお、猫を置いて留守にする際には飲み水は必ず準備します。水飲み場は複数準備しましょう。食事に関しては留守にする時間や同居のペットの存在の有無にもよりますが、必要な場合には準備します。自動給餌器を利用する場合には電源等トラブルが起きないように事前にしっかり動作チェックをしておきます。また、トイレも複数準備しておくとよいでしょう。そのほか猫が上下運動できるようにキャットタワーやカサカサ音を立てる紙袋など、安全に楽しめるアイテムを用意してあげましょう。おもちゃも用意してあげたいところではありますが、誤飲等の事故の可能性もあるため留守の際には片づけたほうが安全でしょう。
子猫は生後1年以内にワクチン接種のために複数回の通院が必要になる場合があります。成猫は一般的に年に1回の検診が効果的ですが、高齢猫や特別なケアが必要な猫はより頻繁な検診が必要になる場合があります。
離乳してしっかり自分で餌を食べられるようになった子猫であれば、短時間なら留守番してもらうことは可能でしょうが、成猫よりもより配慮が必要です。若い猫は好奇心が旺盛なので、いろんなものに飛び乗ったりイタズラしたりします。花瓶などを落として割ったり、観葉植物やゴミ箱などをかじったり荒したりするかもしれません。The Nest*²は、若い猫だけで留守番させなければならない場合、トイレや食事、安全なおもちゃ、新鮮な水など、猫に必要なものだけを置いた猫専用の部屋を用意することを推奨しています。
どうしても12時間以上留守にしなければならない場合には、友人や知人に途中で様子を見に来てもらい、フードや水、トイレなどをチェックするようにお願いするのもよい方法です。フードを補充し、水を新鮮なものに取り換えてもらうようお願いしておきましょう。そのほか家の中で猫がどこかに閉じ込められていないか、狭い場所から抜け出せなくなっていないかなどを確認してもらいましょう。
一方、高齢猫の場合には環境面に対するより繊細な配慮が必要です。体力や感覚が若いときよりも鈍ってくるため、夏場や冬場の温度管理により気を配ったり、水飲み場所やトイレの数を増やすなど、猫がより過ごしやすい環境づくりをしてあげましょう。猫ちゃんの状態にもよりますが、1日以上留守にする場合には、少なくとも1日に1度は、身の回りのお世話に加えて猫ちゃんの健康状態を確認してもらえるようなペットシッターさんをお願いするという方法もあります。

夏休みや冬休みなどで急に家族が在宅するようになったり、あるいはそれが終わって急に静かになるなどの生活の変化は、猫には多かれ少なかれストレスとなります。ひとりになる時間が増えて、せいせいする猫ちゃんも多いかもしれませんが、反対に人間に対する愛着が強く、離れることにより強いストレス反応を感じて、分離不安の症状を示す場合もあります。人間の生活の変化は避けられないものではありますが、猫の好みに合わせた環境づくりや遊びの時間の確保など、基本的な猫への配慮がおろそかにならないように注意します。それでも留守中の粗相が増える、グルーミングが過剰に増えるなどの変化に気づいたら、獣医師に相談しましょう。
IT化が進んだ今、ペットカメラ付きの自動給餌器や様々な機能がついたトイレなどスマートなペット用品が続々と登場しています。これらはペットとの暮らしを便利にしてくれるものではありますが、飼い主の代わりをすべてできるわけではありません。飼い主と過ごすことで得られる愛情だったり、遊びだったりは代えがたいものですから、便利グッズに頼りきらないようにしたいですね。
猫はツンデレ・・なんて言われますが、程度の差はあれど基本的には本能のままに行動する動物です。一緒に暮らしていくうちに、人間の暮らしに合わせて慣れてくれることもありますが、個々の状況によってそれが難しくなることもあります。留守番についても常に猫ファーストの姿勢を忘れずにいてくださいね。
参照先:
*1 https://www.paws.org/resources/helping-your-cat-adjust/
*2 https://pets.thenest.com/leave-kittens-alone-during-day-6800.html
クリッシー・クリンガーは教育者、ライター、そして2人の子供、3匹の犬、3匹の猫の母親です。愛犬のジェイクは、隙あらば彼女の膝の上に乗るのが大好きです!ペンシルベニア州の田舎で、アクティブで環境に優しいライフスタイルを楽しんでいます。
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低カロリーのフードで、猫の体重管理をサポートすることができます。無駄のない筋肉づくりに必要な高品質なたんぱく質を豊富に含み、風味豊かで栄養価の高い食事となるよう厳選された原材料を使用しています。臨床的に証明された抗酸化成分、ビタミンCとEが、健康な免疫システムの維持をサポートします。
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