顔を合わすたびに、ニャーニャーとごはんを要求してくる、食欲旺盛すぎる猫ちゃんにお困りの飼い主さん、いませんか?猫の健康のために、適切でバランスのとれた食事を与えているのに何が不満なのか・・・、と疑問に思っているかもしれませんね。今回は猫の食欲に関連する行動パターンや注意したいことについて考えてみましょう。
猫の食欲が止まらず、常にご飯を欲しがるのはなぜなのでしょうか。痩せ体型で、ウンチもコロコロで量も少ない、ということであれば、もしかしたらそもそもの食事量が足りていない可能性もあります。市販のキャットフードには通常、パッケージに給与量の目安が記載されていますが、これはあくまで目安であるため、個体差が大きいものです。猫の代謝は、年齢、体重、避妊去勢の有無などの個々の状態による影響を受けます。猫の理想体重と食事の給与量について獣医師に相談してみましょう。

食事量が適切なのに、さらに欲しがる場合には、退屈がストレスとなって過食になっている、退屈なのをアピールしている、アピールに応じてもらえた経験からさらに要求しているなどが考えられます。ただし、糖尿病や甲状腺機能亢進症といった病気によって食欲が亢進することもあるので注意が必要です。食欲が急に増えた、食べているのに太らないなど、気になる様子があれば、早めに動物病院を受診しましょう。
猫は起きている時間にちょこちょことものを食べる習性があります。つまり、一回の量よりも回数が多いほうが満足するようです。健康な食欲を維持できる猫ちゃんであれば、猫が好きなときに食べられるようにしていても、適正体重を維持できるかもしれませんが、自分で食事量を調節することができず、結果的に食べ過ぎになってしまうことも多いのです。猫の肋骨が触ってもわからない、または、上からみたときに腰のくびれがない場合は、肥満気味の可能性があり、その場合、関節疾患や糖尿病などの好ましくない健康トラブルにつながることがあります。
体の大きさや活動エネルギーのレベル、健康状態、年齢などによって代謝も変化し、同じ猫でも年齢とともに食事量が変わることもあります。動物病院で愛猫の理想体重と1日に摂取すべきカロリー量を確認してもらい、適切な食事量を把握しておきましょう。

子猫は生後1年以内にワクチン接種のために複数回の通院が必要になる場合があります。成猫は一般的に年に1回の検診が効果的ですが、高齢猫や特別なケアが必要な猫はより頻繁な検診が必要になる場合があります。
空腹が満たされたらそれ以上は食べない、という自己調節ができる猫ちゃんがいる一方で、あればあるだけ食べてしまう猫ちゃんもいます。とくに室内で飼育されている猫ちゃんの場合、刺激が少なく、暇すぎて過食になってしまうパターンもあるようです。あたりまえですが、お腹が空いていないのに食べる状態を繰り返していれば、肥満、変形性関節症、尿路疾患、糖尿病などのさまざまな病気を引き起こしかねません。コーネル大学猫健康センター*¹ によると、肥満の猫は健康な体重の猫と比べて中年期(6〜12歳)に死亡する確率が2倍高いそうです。このことを踏まえると、(過食になりやすい猫ちゃんは)フードを置きっぱなしにはしないこと、そして何らかのアクティビティで忙しくいてもらうことは、飼い主さんができるよい方法です。退屈でアピールしてきたときにも、おやつではなく、一緒にアクティビティで楽しめる方がより健康的ですね。
フードパズルは元々動物園で使用されていたものですが、猫に刺激を与え、自然の中での猫の本来の環境を模倣することができます。働かないと食物を得ることができないような状況を作ることで、身体的な健康状態を改善するだけでなく、不安症や破壊行動などの退屈から生じる好ましくない行動問題を減らすこともできます。国際猫医学会と全米猫獣医師協会が発行する学術誌*² によると、猫が取り組みやすい角の丸いフードパズルが最適だそうです。知的トレーニングと身体的な運動を兼ねた、猫の狩猟本能を刺激するためのフードパズルが多数市販されています。
注意したいのは、病気によって食欲が亢進することがあることです。急に食欲が増えた、食べているのに太らない、あるいは食べているのに痩せてきた、など気になることがある場合には獣医師に相談しましょう。
食欲が増える、ということではないしても、食べているのに痩せてくる場合には、何らかの消化器疾患や、慢性腎臓病、がんなどの病気の可能性も考えられます。体重の変化は見た目だけでは分かりにくいため、定期的にチェックするようにしましょう。
よく食べて元気なことは大変喜ばしいことですが、やはり適正な体重を維持することは健康で長生きしてもらうためにとても大切なことです。猫ちゃんの適正な食事量を把握して、決められた量だけを与えるようにします。できるだけ回数を分けて与えることで、猫ちゃんに満足してもらいましょう。
退屈アピールがかわいくて、ついつい何かあげたくなってしまうかもしれませんが、一度あげてしまうとまたさらに要求してきます。かまったり遊んであげることでもアピールに応えることもできますから、猫ちゃんの好みのアイテムをいろいろと試してみるのもよいですね。もちろん体重チェックも忘れずに、気になることがあれば、必ず動物病院を受診するようにしましょう。
参照先:
*1 https://www.vet.cornell.edu/departments/cornell-feline-health-center/health-information/feline-health-topics/how-often-should-you-feed-your-cat
*2 http://foodpuzzlesforcats.com/wp-content/uploads/2016/08/JFMS-Accepted-Version.pdf
レイシー・シャイブル博士は、小動物獣医師、獣医ジャーナリスト、そして業界の思想的リーダーです。テキサスA&M大学で獣医学博士号、ウェイクフォレスト大学で法学修士号を取得しています。
猫の食性を理解して、理想的な食事回数を覚えておきましょう。また自動給餌器を利用する方法についても解説します。
ウェットフードは一般的に猫が好み、味にうるさい猫にはぴったりな選択肢になります。ウェットフードの利点や与え方について確認しておきましょう。
猫の特徴的な食性や採食パターンを理解して、できるだけ消化器のトラブルが起きないようにするための食事の与え方や注意点などを学びましょう。
胃腸の弱い猫について、深掘りしていきます。このようなケースでの食事の役割について学びましょう。
低カロリーのフードで、猫の体重管理をサポートすることができます。無駄のない筋肉づくりに必要な高品質なたんぱく質を豊富に含み、風味豊かで栄養価の高い食事となるよう厳選された原材料を使用しています。臨床的に証明された抗酸化成分、ビタミンCとEが、健康な免疫システムの維持をサポートします。
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